イヌへの進化
イヌが誕生する前、オオカミは人間にとって草食動物を巡る競争相手でした。更にオオカミは飼い馴らすことが難しいといわれています。我々の祖先はどのように野生のオオカミを家畜化したのでしょうか。
家畜化の方法
野生のオオカミは本来なら警戒心が強く攻撃性を持っている個体が多いといわれていますが、中には例外があり、元々警戒心や攻撃性が低い個体が生まれていたと考えられています。
我々の先祖は、警戒心や攻撃性の低い個体を赤ちゃんの頃から育て、やがて2世が生まれます。性格がより穏やかで従順な個体画選ばれ、世代を重ねながら飼われていきました。一方で野生を失わ内容オオカミは成長段階で飼われなくなりました。このように、選ばれた個体が常に人間と一緒に過ごして育てられました。
その後、人間はオオカミを訓練し、番犬や狩猟犬として人間仕事を手伝わせるようになったのです。オオカミ画持っている性質の中から、人間にとって必要な能力を強化して、不必要な能力は抑制しながらつくり上げた存在が、今人間の身近で暮らすイヌとなったのです。
オオカミから犬へ
犬の家畜化が進むにつれ、性質や外見に変化画起こり、犬と野生のオオカミとの間に大きな違いが生まれました。
- 交尾期
- 性的な成熟
- 尾
- 骨格
オオカミの交尾期は1年に1回です。性的な成熟を迎えるのも2、3年かかります。一方で犬は生後7ヶ月頃から性的な行動がみられ、交尾期は年2回(個体差有)あります。オオカミのように相手を選り好みしないので交配させやすいとのいえます。
次に尾です。基本的にオオカミの尾は下に垂れていますが、犬は上を向いている巻尾の個体がいます。骨格にも変化が表れ、頭骨の形や四肢の長さなど犬種により様々な形しています。
このように犬は、様々な目的や人間の好みによって多様な品種を生み出し、野生のオオカミが持っていた性質の強化と抑制を繰り返し変化してきたのです。