トリミングサロンやペットとのお出かけスポットに遊びに行くと必ず聞かれるワクチン摂取。どうして確認するの?
ワクチンって⁇
ワクチンは特定の病気に対して免疫をつける効果をもつ薬のようなものです。感染症の予防の手段のひとつとして使われています。飼い主とペットが安心して暮らしていくためにも重要なものです。
そもそも感染症ってなに?
病原体の感染で引き起こる「感染症」
感染症は病原体の感染によって引き起こされる病気を「感染症」と言い、病原体が体の中に侵入して、定着して増殖する事で発症します。
風邪はよくある病気ですが、感染症のひとつであり、最も身近な感染症と言えます。
感染症は「病原体が感染源から感染経路(飛沫感染、空気感染、接触感染、媒介生物感染など)を経て宿主(宿主:病原体が感染し増殖する人や動物)に感染」という条件が揃うと成立する仕組みです。
病原体の正体は微生物⁉︎
微生物とは、肉眼では見ることができないほど小さな生物の事で、地球上には数えきれないほど存在します。
微生物は、乳酸菌や納豆菌、発酵食品に欠かせない酵母菌など人に利益をもたらしてくれるものも多く、病気の治療などに用いられるウイルスもあります。一方で人や動物に不利益をもたらす微生物も数多くいます。感染症が起こる原因となる微生物を病原体(病原微生物)と言います。
細菌とウイルスの違い
細菌:自力で増殖する生物
ひとつの細胞からなる単細胞生物で体内、体表、土の中、水中など地球上のあらゆる場所に存在します。とても小さいですが、自力でエネルギーを作り、自力で増殖するという生物としての特徴を持っています。
ウイルス:他者の細胞を利用して増える
ウイルスは、生きた細胞内で増殖します。自らエネルギーを作り出すことはできません。自力で増殖することもできないという特徴があります。
ワクチンの仕組み
本来、動物の体には免疫システムが備わってわおり、一度できた抗体は記憶され体に残ります。そのため、同じ病原体が侵入しても軽傷で済んだり、発症しなくて済むようになっています。この現象を利用したものがワクチンです。
病原体の侵入や攻撃に備えて、事前に体に免疫をつけておくための医薬品の事をワクチンと言います。ほとんどのワクチンの中には、毒性を弱めたり、失わせたりした病原体を入れ、わざと体の中の入れる事で免疫細胞に情報を読み取らせ、抗体を作らせることがワクチンによる感染症予防の仕組みです。
ワクチン摂取で100%完璧に感染を防げる訳ではありませんが、発症を抑える効果が期待できます。
ワクチンの副反応
副反応:ワクチンを摂取したことが原因で起こる健康上の問題で、因果関係が明らかになっているもの
ワクチンの持続時間
免疫の持続時間には個人差があり、タイプによっても異なります。生ワクチン(生きた病原体を弱毒化したもの)は長く持続する免疫ができるといわれていますが、不活性ワクチン(生きた病原体を含まない)の免疫力は生ワクチンに比べると短くなります。
基本的にワクチンによってできた免疫は、時間の経過により弱くなっていきます。しかし、抗体自体は記憶されているので、追加摂取で抗体と接触することで免疫も機能が高まります。
ワクチンによる集団免疫
ある病原体に対して、人口の一定の割合以上の人が免疫を持っていると、感染者画出ても感染拡大を防ぐことができます。免疫を持たない人を間接的に守ることができ、社会全体を感染症から守ることができると考えられており、集団免疫と言います。